先ずはこの物件を見た瞬間、この家は良い、リノベーションしたい！そう思った物件でした。

先ずはどんなところが「良し」と思ったかですが、

①平屋であること（今の流行、土地が広くないとそもそも無理な家である意味贅沢）

②倉庫があること（車は2台並列で駐車できるうえに電動シャッター、そして2階もあるというもの）

③和風で近隣の風景に溶け込んで良い雰囲気であること（のどかな田園風景で町中のような喧噪もなく和風の建物が合う）

この3つですね、しかし②と③はまあリノベーションで特に問題は無いですが、やはり家の間どりに頭を悩ましました。

昔の家にありがちな和室の2間続きが日当たりのいい南側に鎮座し、日当たりの悪い北側にダイニングキッチン、そしてそれに続き東南に6畳の和室ですが、これが今でいうリビングなんですよね。

これをどうするか？

最終的にはこちらの間どりになりました。

南西の陽当たりのいい位置にLDKを持ってくる、これで元々あった北西の洋間、元キッチンだった北東を広い洋間にし、東南の和室は独立した6帖の和室にして3LDKの間どりになりました。こうすることで明るく対面式のキッチンが配置出来て使い勝手の良いLDKになりました。

ただ、このLDKをどう設えるかで喧々諤々ありました。

先ずは外観を全然触らないので外から見ると和風なのは一目瞭然、ですが、中は洋風に仕上げてる。

これでもよかったんですが、やはり和のテイストを残したい、2間続きの欄間や床の間、障子をそのまま残したい…そうして出来上がったのがこのLDKです。

LDKにリノベーションした和室

和室の2間続きのテイスト残しつつ、タイルを3種類4色を壁に配し、対面キッチンを据えました。

床の間は稼働できる棚とそのまま使えるようにコンセントを4か所配置して、家電もおけるようにしてます。押し入れだったところは冷蔵庫を格納するようにしました。

床は最初は畳という案を出したのですが、皆に却下されてしまいましたが、今思えばそれも有りだったかもしれないと思ってます。

少し背の高い人には欄間や建具が低いので圧迫感は感じます。

しかしそれを撤去し、新しく作り直すとこういう和の雰囲気を残したリノベーションは無理でした。

いつもこういうことで悩みますが、最終的にはどれも結果は良しとなってます。

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DATA

土地：339.08㎡（約102.57坪）　建物：木造瓦葺1階建　98.82㎡（約29.89坪）昭和57年新築

リノベーション工事内容

外部：エクステリア、外壁一部塗装、屋内給排水工事、給湯工事、電気引き換え工事等々

内部：間取り変更、床張り替え、クロス張替え、キッチン新調、洗面・トイレ新調、浴室ユニットバス交換、コンセント追加工事、建具交換、照明器具工事、タイル工事等々

文：坂本隆二